八嶋智人的ブログの出会い
 
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【FXレバ規制対談】全額信託保全とレバレッジ規制でFXはより安全に

■FXレバ規制直前対談連載 制度改正を「追い風」にする投資方法を大公開
全8回連載 クリック証券高島社長×田嶋智太郎氏

  対談連載第5回--これまで400倍で提供する業者もあったFX市場の「レバレッジ」に対して、この8月から50倍に引き下げられる。てこの原理を意味して、投資家が資金を借り入れて投資に回す投資手法の一種だ。米国のサブプライムローンが破綻して以降、世界中で起きた経済危機の原因の一つが、金融市場の過度なレバレッジではないかと指摘されるようになり、実際に欧米諸国では過度なレバレッジを規制する動きが出ている。加えて、FX業者の財務体質強化を狙った「全額信託保全」もスタートしており、業界は大きな再編の時代を迎えつつある。FX市場に詳しい経済アナリストの田嶋智太郎氏、そして業界最大手のクリック証券・高島秀行社長に語っていただいた。

田嶋 レバレッジ比率の規制によって、これまで投機性が強かったFX市場がそのイメージを変えて、堅実な資産運用を狙う安定したマーケットになると思っています。ただ、今回の規制では投資家の資産保全を図るため、「全額信託保全」が義務付けられました。これで、業界そのものは安定するんでしょうか。

高島 私は、今回のレバレッジ規制によって淘汰されるFX業者が数多く出てくるだろうと考えています。50倍ではまだ表面化しないかもしれませんが、最大25倍になった段階から半年後、1年後になると、業界再編成が頻繁に起こるのではないかと考えています。少なからず売買代金はピーク時に比べて一時的に減少することになるでしょう。田嶋さんがおっしゃるように、一般の個人投資家が市場参入してくるにしても、それまでには時間がかかると思います。売買代金が再び現在のような規模まで回復するまでに、会社として持ちこたえることのできない業者も出てくるかもしれません。

田嶋 業者の数が淘汰されて、優れたFX業者だけが生き残っていくということですね。いずれにしても、レバレッジ規制によって、FX業界の評価がアップしていくことは間違いないと思います。レバレッジ規制が実施される2010年、2011年は、FX市場が一般の個人投資家に信頼されてメジャーな存在になる「FX元年」になると言っていいんではないでしょうか。

高島 現在のFX業界は、スプレッド競争になっています。ドルのケースでいえば、1ドル1銭前後でしのぎを削っていますが、こうした条件競争というのはレバレッジ規制が実施された後も続くと思います。

田嶋 言いかえれば、400倍といった高いレバレッジだけを売り物にするFX業者というのは、投機的な個人投資家ばかりが集まっているわけですから、自然に高レバレッジに代わる付加価値を提示できなければ、もっと利便性の高いFX業者とか、スプレッドのより小さな業者にシフトしてしまう可能性があります。そういう意味でも、時代をどんどん先取りしていくようなFX業者でないと生き残れないかもしれませんね。クリック証券さんの場合は、そういう意味でいえばシステムを自社開発している強みがあるわけですから、積極的に個人投資家にアピールしていってもいいんじゃないでしょうか。

高島 一生懸命やってはいるんですが…。たとえば、これまでにもご指摘がありましたが、現在のFXの顧客というのは20~30代とまだ若い。さらに、いろいろ調査をしてみるとサラリーマンのような会社勤めがある人は、会社から帰宅後のわずかな時間を有効活用してFX投資をしている人が多いんです。ちょうど10時過ぎから深夜の1時ぐらいまでがピークと言えます。その時間帯に、為替相場を見て投資する、そんなパターンが多いんです。

田嶋 逆にいえば、個人投資家にとっても、今後はレバレッジの大きさやスプレッドの小ささといった条件競争だけで業者を選択するのではなく、操作性に優れているとか、マーケット情報の質的なレベルを見るとか、業者を選ぶ選択眼を持つことが大切と言えるかもしれませんね。CFDの使い方なども含めて、投資家教育も今後は今まで以上に力を入れていくべきでしょうね。

高島 セミナーもその中身を多様化させていく必要があるかもしれませんね。ある程度、上級のFXトレーダーには低レバレッジ時代の運用法としてCFDとFXとの連携投資法を紹介するとか。あるいは投資の経験が浅い投資家向けのFX投資法などなど…。

田嶋 たとえば、ドル円と豪ドル円とでは、同じ通貨でもボラティリティー(変動幅)が全然違うわけですよね。こういう違いをきちんと投資家教育することが、これからは求められると思うんです。FX業者は、これまで確かに投機性の高い、ギャンブル的な投資のサポートをする投資ツールは提供してきた。しかし、今後はこうした投資教育も重要だと思います。

高島 それがFX市場への信頼性も高めていくことにつながる、ということでしょうね。

田嶋 どんなに投資教育をやっても、レバレッジが400倍では、どうしても大損してしまう人がいます。それはもう人間の管理能力を超えているわけで、レバレッジ比率を抑えて管理するしかない。しかし、それ以外の部分では、様々な教育を通して安全で、安定したFX投資が可能になることを教えていく必要があるんだと思います。そういう活動を通してFX業者がより積極的にFXのブランドイメージを高めていくことだと思います。(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)



7月13日(火)12:03 | トラックバック(2) | コメント(0) | 社会 | 管理

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